ハイパフォーマーの彼を、分解してみた。
血の通ったチームをつくるべく日々組織に向き合っている人事・経営者の皆様、こんにちは。戦略人事・広報の坂牧です。近代史にハマって明治維新について血眼で調べすぎていたら、ぶっ倒れてしまいました。健康で文化的な生活が今月のテーマ。最近はもずくにハマっています。
さて、今回のテーマについてですが、コトの発端は「ハイパフォーマーとそうでない人の違いって、一体なんなのか?」という問い。
どの会社であれ、生産性が高く確実に成果を出す人を採用したいし育成したい。この人はハイパフォーマーなのかどうか?を分析するツールもリリースされているが、結局違いって一体何なのか。弊社インビジョンもそろそろ採用を開始する予定。採用基準を考え直そうとしているこのタイミングで、掘り下げ考察してみることにしました。
自分のメンバーは受動的?能動的?
大きく分けると、組織には「受動的な人」と「能動的に動く人」の2種類の人間がいる。
さらに分けると4段階に表せるが、「やらない人」は基本的に目標を外し続け、現状に不満を吐き、ネガティブな波動を感染させる。「やる人」は、一応やるべきことはやるものの、目標達成率は安定せず60〜80%を推移しがちで、受け身が多い。
「やり切る人」は、自分なりの高めの目標を追いかけ続け、目標達成は当たり前。チームから信頼される。「やり切り考え抜く人」は、5手先10手先・チームや全社的な視座で物事を考え、社内外からの信頼はもちろん、世の中的にも大きく影響を与えていく。
このコラム記事を読んでくださってる皆さんは、おそらく部下を持っている人が多いだろう。皆さんのメンバーはこの図のどこに当てはまるだろうか。こっそり自分はどこかも考えてみてほしい。
なぜ、彼らは「考え抜く」のか?
ハイパフォーマーの共通点、それは自分で考え抜くことができるかどうか。
受動的な人達がいうセリフNo. 1、「どうすればいいですか?」。
彼らはどこかに物事の正解があり、誰かや相手が答えを持っていると思っている。
一方でハイパフォーマーは、常に責任が自分にあるというスタンスに立つ。
何かを良くしていくという目指す先に対し、確実な答えがないことを知っている。
だから、まず自分で考えてみる。試行錯誤しながら改善していく。
ハイパフォーマーの彼らは、自分で答えをつくり出していくのだ。
しかしこれだけでは腑に落ちない。なぜ彼らは考え抜くことができるんだろうか?
もう一段掘り下げて考えてみるべく、社内のハイパフォーマーにインタビューした結果を踏まえつつ、考察してみようと思う。
「俺、すげぇ怠け者なんだよね。」
「俺、すげぇ怠け者なんだよね。自分の弱さも知ってるし、苦手分野も結構多い。考えないと仕事進まないんだよ。」
こう言ったのは、私が尊敬する同期・ダシトレ開発プロジェクトマネージャーの佐々木。なぜ、そうやって常々考え抜くことができるのか?という問いに対しての回答だ。彼の話を聞き、今まで出会ってきたハイパフォーマーを頭に浮かべながら、佐々木の話を聞いていくうちに、私は三つの共通項を見出した。
①疑う習慣
デキるやつらは物事に対し、本当にそれでいいのか?もっといい何かがあるんじゃないか?と常に疑ってかかっている。
「こうしろって言われたから」「社長が言ったから」「このフレームが使われていたから」などと、既存のフレームや情報・誰かが言ったことを彼らは鵜呑みにしない。会社にせよ、人間にせよ、世の中にせよ、対象はなんであれ、空気を読まずになんでこうなってるんだっけ?ほんとにそれでいいんだっけ?と考える。良くも悪くも、基本物事を信用していないのだ。
では、この習慣ができた原体験はなんだったのか?佐々木曰く、このスタンスは政治が教えてくれたらしい。子どもの頃から、彼の家では父親による政治に対する批判的議論が行われていたという。それを目の前で見ていた佐々木が、物事を疑う心を育んだのは想像に容易い。もちろん政治は佐々木の場合であり、一つのきっかけにすぎない。トリガーそのものは、人によって違う。
とはいえ、疑ってばかりの人間はただのイヤなやつである。時々本当に何も信用してない人に出くわすことがあるが、彼らの自律神経はきっと大変なことになっているだろう。やはりここはバランスだ。
②エンタメ思考
疑う習慣とセットなのが、このエンターテイメント思考。
「どうせそのうち死ぬんだから、せっかくなら楽しく生きた方が良くね?」
佐々木もそうだし弊社代表の吉田もそうだが、彼らはどこかで人生をエンターテイメントだと捉えている。
せっかく生まれてきたのなら、せっかく仕事するんなら、面白い方がいいに決まってる。
それは享楽的な思想ではなく、命というものを強烈に尊重している感覚に近い。
ラテン語で「メメント・モリ」=死を想え という言葉があるが、彼らは「生」と「死」が表裏一体だと腹落ちしている。だからこそ人生を面白がれる、命を謳歌する、真のエンターテイメント思考なのだ。
今この文章を書きながら、なぜ「生死観」ではなく「死生観」なのだろうとふと頭をよぎった。やはり、死が前提で、死が先なのだ。生きてる時間とは、実はちょっとした冒険なのかもしれない。
少々話が逸れたが、要するに彼らは、人生を面白がっているわけだ。
③メタ認知
ハイパフォーマーの要素3つはメタ認知力である。メタ認知とは、客観的に自分や物事を見る力。
写真の通り、佐々木は4月の時点で真っ黒に日焼けするタイプの、かなり強そうに見える人間だ。
しかし、彼は自分を無駄に良く見せようとは決してしない。
自分に問題があるなら改善するし、人の力を借りた方がよければ借りる。
微妙な人ほど自分の弱さを隠しマウントをとりたがるが、彼は自分のことを客観的に理解しているのだ。
人間は、自分のことを平均以上に見積もってしまうという「平均以上効果」という特性を持っている。多くの人間が自己認識がバグってしまっているわけだ。自分を客観的に認識する力は、他者の意見を聞き入れる力とも関連する。
人間が完璧でないことを知っている。だから変なプライドを発動させることなく、素直に改善しようとする。
改善するには課題特定やアクションの実行が必要であり、だから彼らは自ら振り返り、自ら学ぶのだろう。
まとめると、ハイパフォーマーの人たちは、物事を健全に疑いつつ、仕事や人生をより面白くするために、自らを客観視しアップデートしていく人たちなのだ。
人間界普遍の原理、波動は確実に伝染する。
逆説的に、なぜ自分の頭で考えることができない思考停止の人が増えてしまったのか。
そこを語ろうとすると1万字ではおさまらないので、許されることならまたの機会に執筆してみたい。
ローパフォーマーの人をどうしたら良いか?
解決策としての実践方法が載っているので、是非こちらの記事を読んでみてほしい。(執筆者は噂の佐々木だ。)
▼この記事もおすすめ。
受動的な人が多ければ多いほど組織は弱くなり、能動的な人が多ければ多いほど組織は強くなる。
物事を考え抜く人が一人でも増えたら、血の通ったチームが増える。
そしてそれは日本全体が強くなるということ。
血の通ったチームをつくるダシトレ。
チームづくりについてちょっとでも相談したいと思った方は、是非ご連絡ください。
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