【構成・例文あり】形式的な”お祈りメール”はもう古い!不採用通知メールのポイントとは?

「よくある不採用通知メールって、温度感がなくて嫌なんだよだな」
このように、形式ばった不採用通知メールに違和感を持っている人事の方は多いのではないでしょうか。

結論から言うと、不採用通知メールは形式ばらずに気持ちを込めて工夫すべきです。ですが、「気持ちを込めたメールって具体的にどんなメール?」「できている企業は実際にどんなメールを送ってるんだろう?」と思ったことでしょう。

そこで今回は、不採用時の通知メールに心を込めるべき理由やポイントを例文付きでお伝えします!

この記事はこんな人にオススメです!
・不採用通知メールの文章に悩んでいる担当者
・不採用通知メールを送る際のポイントや注意点が知りたい
・「不採用通知メールを送る数を少しでも減らしたい…」と思っている方

不採用通知メールとは

不採用通知メールとは、自社への応募者の書類選考後や面談後に、不採用との結論が出た際に不採用をお知らせするメールを指します。人事・採用担当であれば送る機会も多いことでしょう。

お祈りメールといわれる理由

不採用通知メールは、“お祈りメール”ともいわれます。

不採用をお知らせするメールの文末に、テンプレートのように「今後のご健勝とご活躍を心よりお祈り申し上げます」と書かれることが多いからです。

多くの企業が不採用通知メールの最後をこのように締めることから、「お祈りメール」という表現が「不採用通知メール」の言い換えとして広く認識されるようになったといわれています。

従来の不採用通知メールあるある

形式ばった不採用通知メールに違和感を持っている方は、きっと人のつながりや温度感を大事にしている方なのではないでしょうか?時代はモノや条件が貴重な時代から、価値観や個性を重視する時代へ変わってきました。

このように社会が心を重視する時代に変化しているにもかかわらず、まだまだ形式ばった不採用通知メールを送っている企業が多いです。まずは、従来の不採用通知メールがどんなものなのか、あるあるを見ていきましょう。

あるある①サイレントお祈り

合格者のみに通知を出す「サイレントお祈り」。つまり不採用の場合は送らないということです。
たくさんの応募があり、全員に連絡する手間が大変な大企業に多いです。

HR総研の2017年度新卒採用についての調査によると、従業員1001人以上の企業の場合、38%にものぼる企業が不採用通知メールを出していないというデータもあります。そして同時に、サイレントお祈りの企業に対し、ほとんどの学生が不信感を持っています。

「サイレントお祈り」という言葉も、求職者側が皮肉を込めて広まった言葉です。不合格通知メールを送る手間が省けるので、採用担当者にとっては負担が減るでしょう。

しかし、合否が分からない状態で面接や書類選考の結果を数日待つことは、応募者にとって心理的に大きな負担になります。サイレントお祈りは、求職者との信頼関係を完全に崩してしまい、企業に対する大幅なイメージダウンに繋がりかねません。

あるある②使われ倒したコピペ文章

「厳正に選考した結果、今回は期待に添えない結果となりました」
「貴殿の活躍をお祈り申しあげます。」

どの企業も口裏合わせてるのかってくらい、同じような文章…!絶対、活躍お祈りしてないだろ!……と社交辞令丸見えないわゆるコピペ文章。

受け取り手は誰しもこのように思った経験があるのではないでしょうか。

通知が来るだけありがたいけど、本気で入りたい!と思って自分をさらけ出し、時間や心のリソースを割いた求職者にとって、テンプレのようなメールが来た日には「一生懸命応募にかけたあの時間はなんだったんだろう…」とショックですよね。名前さえ変えてしまえば誰に送っているのか分からないような機械的なコピペ文章では、応募者の記憶に残ることもなくマイナスな気持ちを与えるだけになってしまいます。

不採用通知メールにも心を込めるべき理由

不採用通知メールを書くのにも、リソースがかかりますよね。それでも、なぜ不採用通知メールをテンプレートで済ませず、心を込めるべきなのでしょうか。

以下の3つの理由があります。

  1. 採用は「人間対人間のコミュニケーション」だから
  2. 企業ブランディングにおけるタッチポイントだから
  3. 他のカタチで次につながることもあるから

ひとつずつ見ていきましょう。

採用は「人間対人間のコミュニケーション」だから

採用は、企業と求職者のコミュニケーションと考えがちですが、そうではありません。企業と求職者である前に、人間対人間のコミュニケーションです。ミスマッチだった求職者に対していい加減な対応をしている企業は、採用において「採用する企業側が上」と思い込んでいる節があります。

就職は、求職者にとって人生を変える大きなイベントです。私たち企業を好きになってくれて、それ相応の覚悟で臨んでいる一人の人間に対し、企業側も一人の人間としてどう対応すべきか考えなくてはなりません。

企業ブランディングにおけるタッチポイントだから

ステークホルダーとのタッチポイントはたくさんありますが、不採用通知メールもタッチポイントの一つです。今や評価経済社会。評価がものをいう時代です。どのような対応をするかで、企業のイメージが形作られます。

例えば、「人とのつながりを大事にしている」と謳う企業が、最終面談で不採用になった求職者に対し、テンプレのような不採用通知メールを送ったとしたらどうでしょう。

「ああ、人とのつながりを大事にしてるなんて口だけなんだな」、そんなイメージがついてしまいます。

逆に、真摯に最後まで対応してくれた企業に対しては、不採用になったとしても良いイメージがつきますよね。採用に関するメールも、立派なブランディングの一端を担っているのです。

他のカタチで次につながることもあるから

不採用通知メールに心を込めることで、紹介や顧客としてのつながり、パートナーなど何かしらの形で次につながる可能性があります。

「その展開を狙って不採用通知メールを丁寧にしよう」というわけではありませんが、実際にこのような展開はあり得る話です。

最近では就職活動における口コミの重要性も高まっているため、「不採用になっちゃったけど、いい会社なんだよ」と求職者の交友関係の中で話が広まり、その友達が応募してきてくれる場合もあります。

人柄は良かったものの、募集職種とミスマッチだった場合、タイミングがきた時に声をかけることで、すんなり採用が決まる可能性だってあります。

ご縁は本当に素晴らしい展開を運んでくれます。そしてそれは、相手を一人の人間として真摯に接した結果生まれるものです。

不採用通知メールの書き方のポイント3つ

では心を込めた不採用通知メールを作成する際に、どんなポイントを意識すれば良いのでしょうか。

大事な3つのポイントをご紹介します。

  1. その人の良いポイントを伝える
  2. ミスマッチのポイントを伝える
  3. 感謝の気持ちを伝える

それぞれ見ていきましょう。

その人の良いポイントを伝える

一つ目のポイントは、その人の強みや想いなど、良いポイントを言葉にして伝えることです。

ただ不採用だという事実だけを知らされた場合、「自分の想いや人柄が伝わってない」と納得できない気持ちになってしまいます。

また、「不採用=自分には価値がない」などと、不必要に求職者が自分自身を否定してしまう可能性もあります。

良いポイントを伝え、ちゃんと人柄や想いを理解したのだと感じてもらいましょう。

ミスマッチのポイントを伝える

二つ目は、合わなかった部分を言葉にして伝えることです。

多くの企業は不採用の理由を明かさない場合が多いかと思います。もちろん義務ではありませんが、私たちの会社ではあえて明文化しています。

理由もわからず不採用という事実は、予想以上に求職者の心をえぐり、納得できない気持ちにさせてしまいます。

求職者の短所を指摘するのではなく、ただ「自社や募集職種と合わなかった」ポイントを伝えましょう。

感謝の気持ちを伝える

三つ目は、感謝の気持ちを伝えることです。

求職者は、企業側の事を一度は好きになってくれて、自分の人生をここで使おうとそれなりの覚悟を持って応募してくれたわけです。企業側からしたら、本当にありがたいですね。

その事実に対し、素直に感謝の気持ちを伝えましょう。

不採用通知メールを送る際の注意点

不採用通知メールを送る際は、どのようなことに気をつけたらいいのでしょうか。

以下の5つの注意点について見ていきましょう。

  1. 不採用通知メールは原則面接後3日以内に送る
  2. 不採用通知は電話ではなくメールで送る
  3. リソースを考慮したルールを作る
  4. 応募者名は必ず記載する
  5. 宛名・アドレスを入念にチェックする

不採用通知メールは原則面接後3日以内に送る

不採用通知メールを送るタイミングは、原則面接終了後3日以内がいいでしょう。メールの内容や書き方も大事ですが、スピードも大事です。遅くても、1週間以内には連絡をしましょう。

結果次第で次の行動を決める求職者の方もいらっしゃいます。あまりにも連絡が遅いと、求職者の方の就職活動に支障を出してしまいかねません。

不採用通知は電話ではなくメールで送る

不採用を知らせるためにメールや電話、郵送などのさまざまな手段がありますが、基本的にはメールで知らせましょう。

電話はすぐに連絡できたり、応募者と直接コミュニケーションをとれたりとメリットもありますが、うまく伝えられなかったり、伝えた証拠が残らなかったりといったデメリットもあります。郵送は、伝わるまでに時間がかかってしまいます。

メールはお互いのタイミングで通知の送信・確認ができるため、両者にとって負担感のない通知方法になります。

リソースを考慮したルールを作る

応募してくれた求職者全員に対して、心を込めてメールを送りたいのが人事の気持ち。しかし、センシティブな内容でもある不採用通知メールの作成にはそれなりに時間がかかります。

他にもやるべき業務はたくさんあり、リソース的にとてもじゃないけど全員には無理だ、という方も多いでしょう。それも痛いほどわかります。

そこで、リソースを考慮しつつルールを作るのをおすすめします。

例えば、

  • 最終面談まで通過した人には絶対に送る
  • 大枠の基本の文章を用意し、カスタマイズする部分をあらかじめ決めておく

などです。

ルールを作って効率化をはかりながら、可能な限りのリソースを使い、真摯に求職者と向き合ってみてください。人間臭さと効率化、この両輪が大事です。

応募者名は必ず記載する

メールの本文中に応募者名は必ず記載しましょう。応募者名がメールの中に記載されていないと、「誰にでも同じ不採用通知メールを送っているんだろうな」と思われてしまい、信頼を失うことにも繋がりかねません。

「〇〇さんは」という文章が入っているだけで、自分に送ってくれているんだなというのが分かります。真摯に自分と向き合ってくれている感覚は、仮に不採用だったとしても自社への信頼度に繋がります。

宛名・アドレスを入念にチェックする

不採用通知メールに応募者名は必ず明記しましょう。宛名を記載しなかったり、名字だけを記載したりするとメールの送り間違いが起きることも。

採用だったのに不採用と通知してしまったり、逆に不採用なのに採用の通知をしてしまって、応募者の混乱に繋がってしまいます。ミスをすると応募者だけではなく、社内の混乱にもなってしまうので細心の注意が必要です。

実際の不採用通知メールの構成と例文

では、よりイメージできるよう、一例として実際の不採用通知メールの構成や例文を紹介します。

不採用通知メールの構成

不採用通知メールは以下の構成がおすすめです。

  1. 名前
  2. 挨拶
  3. 選考を受けてくれたことへのお礼
  4. 選考結果
  5. その人の良いポイント
  6. ミスマッチの理由
  7. 感謝や応援の言葉
  8. 署名

心を込めた不採用通知メールの例文

これは、実際に私たちインビジョン株式会社が送っているメール文章の一例です。

ぜひ、参考にしてみてください。

——————————–

〇〇 〇〇さま

インビジョン株式会社 人事部 採用担当の〇〇と申します。

この度は、多数の企業から弊社へご応募頂きまして、誠にありがとうございます。

弊社への私たち社員の中でもたくさん話し合った結果、◯◯さんとは合わない部分があるなあという結論に至り、

今回は、期待に添えないことになりました。思いに応えられなくてごめんなさい。

◯◯さんは、下記のようなインビジョンが大切にしているポイントをバランスよく兼ね備えた人材だと思います。

  • ビジョン共感
  • 労働意欲
  • 自己成長欲
  • 自己理解
  • 健全な本音ができるか
  • おダシ

ただ現在インビジョンでは、全部高得点の優等生よりも、どこかが突き抜けているエッジの立った人材を求めています。

バランスが優れているというのはとても素晴らしい強みです。

今回不採用という結果になってしまったのは、ただ「合わなかった」のだと理解して欲しいです。

インビジョンの選考のためにオリジナルプロフィールを作ってくれたホスピタリティ(すごく嬉しかったです)、本質を突く力、仕事に対する姿勢、ポジティブさ、自ら行動を起こす成長意欲など、◯◯さんにはたくさん良いところがあります。

そんな◯◯さんは、今後色んなところで活躍する人材になれるのではないかと思います。

就職活動、そしてこれからの人生、◯◯さんらしく歩んでいって欲しいと、心から願っています。

インビジョンを知り、好きになってくれて本当にありがとう。

陰ながら、応援しています。

インビジョン株式会社 人事部

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そもそも不採用通知メールなんて送らずに済めばいいのに……。そんなあなたに提案です

ここまで不採用通知メールを送る際に気をつけるポイントや注意点、例文などを見てきましたが、そもそも不採用通知メール、送らずに済むならできるだけ送りたくないですよね。

「不採用をお知らせしなければならない」というのは裏を返せば、「自社に合う人材に訴求できていない」とも考えられます。

「自社で求める人材はこういう人です」と応募者に届くような発信をしたり、採用サイトを充実させたりすることで、少しでもミスマッチをなくせるのではないでしょうか。

そこでインビジョンからの提案です。自社の採用サイトを見直してみてはいかがでしょうか。

自社が求める人材から応募がくる。そんな採用サイトを作るために押さえておきたい100のポイントをまとめた資料をご用意しているので興味があればぜひご覧ください。

▼こちらのリンクから無料でダウンロードできます。

【ダシトレ資料】採用サイトで効果を出すために押さえておきたい100のポイント

心を込めた不採用通知メールを送って人とのつながりを大事にしよう

採用は、企業と求職者である前に人間同士のコミュニケーションです。従来のサイレントお祈りや、形式的な文章などでは応募者に対して誠意が伝わりません。SNS時代では、一個人の投稿によって企業に対してのイメージが決まることも大いにあります。仮に不採用だったとしても、誠実に対応をすることで自社にいいイメージを持ってくれたり、別の形で関わり合ったりすることもあるでしょう。

不採用通知メールを送る際はぜひ構成と例文を参考にしてみてください。

また採用活動や組織づくり、企業ブランディングなど、何か悩みを抱えている方は、ぜひお気軽にインビジョンにお問い合わせください。

人間臭さと効率化を大事にしながら伴走します。

さっちゃん

フリーランスのライター。
noteやSEO、メルマガ、企業アカウントの中の人など幅広い媒体、ジャンルで企画立案から執筆まで行う。地域おこし、SNSマーケティング、不動産をメインジャンルに執筆する。趣味はうまいビールを飲むこと。

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