
「新たな採用手法を取り入れたい」
「SNS採用をうまく実践している企業を見るけどうちでもできるのかな」
このようなお悩みや不安をお持ちの担当者の方は多いです。
5Gの導入によりインターネットの加速化が激しい現代では、「SNS」は私たちの生活に必要不可欠なものになりました。個人間でのコミュニケーションツールとして発達したSNSですが、最近では情報発信のためにSNSを利用する「企業」も増加しています。その影響は「採用活動」にも及びます。
今回はSNS採用、いわゆる「ソーシャルリクルーティング」について実際の事例を交えながら解説していきます。
この記事はこんな人にオススメです!
・ソーシャルリクルーティングについて知りたい
・SNSを活用した採用手法について知りたい
・ソーシャルリクルーティングのコツや注意点を知りたい
目次
ソーシャルリクルーティングとは
ソーシャルリクルーティングとは、SNS(ソーシャルネットワーキングサービス)を活用して行う採用活動を指します。ソーシャルリクルーティングは主に新卒・若手中途採用向けに行われています。
新卒・若手中途採用のターゲットとなる世代は、「デジタルネイティブ世代」と呼ばれるインターネット環境が整った時代に育ってきた世代。Googleのような検索エンジンだけではなく、SNSも駆使して情報収集しています。
デジタルネイティブ世代の、個人の本音を拾えるSNSに対しての信頼度は絶大。飲食店を探すときも、デートプランを考えるときも、instagramやTwitterを利用しています。
就職活動においても、気になる企業の生の情報を得られるため、SNSで集めるのがスタンダードとなっています。
今までの一方通行の情報発信ではなく、企業と個人が双方向にコミュニケーションを取れる、かつ企業の生の情報を拾いやすいSNSは採用活動の必須アイテムになっています。
ソーシャルリクルーティングのメリット
圧倒的な拡散力がある
従来の求人媒体のみでの情報発信では、基本的に媒体に登録している求職者にしかその情報を露出できませんでした。
しかし拡散力の高いSNSの普及によって、媒体に登録して就職活動を行っている層以外の潜在層にも簡単に情報発信できるようになりました。
特に新卒採用であれば、企業が発信した情報に興味を持った学生が友人にシェアすることでより多くの人に情報が拡散されます。
採用コストを削減できる
SNSは無料で利用できるものが多いです。
「何か新しい方法を試してみたいけど予算が…」と頭を抱える企業でも比較的取り入れやすいツールになります。すでに個人でSNSアカウントをお持ちの担当者がいれば、使用方法が分かっていたり個人アカウントも活用したりと、より素早い対応が可能です。
自社のイメージを伝えやすい
企業がSNSを利用して採用活動を行う1番のメリットは「自社のイメージを伝えやすい」という点です。
媒体や広告だと、どうしても仕事のリアルな情報や社内の雰囲気などが伝わりづらいです。
しかし、個人が日常的に利用しているSNSでは、企業も日常的な情報を発信することでリアルなイメージが伝わりやすくなり、ファンもできやすくなります。
転職潜在層に見てもらえる
今すぐには転職を検討していなかったり、本格的な就職活動に入るにはまだ早かったりする層も、求人情報は見ていなくてもSNSは日常的に見ています。
そのため、企業の情報発信を見ていて、「この企業の社内の雰囲気が良さそうだな」「この企業でやっているこの事業がすごく面白そうだな」などと感じてもらえたら、候補先として頭の隅においてもらえる可能性が上がるのも、ソーシャルリクルーティングのメリットです。
ソーシャルリクルーティングのデメリット
時間と工数がかかってしまう
SNSは1度発信したら終了ではなく、定期的に運用していく必要があります。日々たくさんの情報発信が行われている中で、投稿頻度が極端に下がったりやめてしまったりするとどんどん埋もれていってしまいます。
そのため、質を保ちつつ投稿頻度を下げない工夫をしていかなければなりません。SNSを運用する際は長期的に運用していけるよう、1人に負担を集めないよう担当者を複数決めておくことをおすすめします。
自社のコンテンツが必要
日々のリアルな情報を更新すればOKというわけではありません。
企業の情報や魅力、働いている現場の方のリアルな声などユーザーの知りたいと思うコンテンツを発信していくことが大切です。
そのため、今までよりさらに自社のコンテンツ強化に力を入れる必要があります。
炎上のリスクがある
SNSを運用していくには、炎上のリスクはつきものとの認識が必要です。自分たちには悪気がなかったとしても誤解を招くような情報発信のせいで「炎上」してしまったり、偽の情報が勝手に出回ったりしてしまうことも。
SNSを採用活動に取り入れる場合は、炎上のリスクがあることを把握しながら、「これだけは発信しないようにする」というルール決めが大切です。情報発信をする前に何人ものチェックを仕組み化してしまうとスピード感が損なわれてしまうので、例えば、「政治に関する言及をしない」「愚痴やネガティブ発言と捉えられてしまうような発言はしない」など、「発信しないこと」を決めましょう。
【各SNS別】採用手法の特徴と事例
就活の各フェーズで使用率ナンバーワンのTwitter
株式会社学生就業支援センターの「就活におけるSNSの利用状況調査」によると、「ES提出前」、「ES提出~内定」、「内定~内定承諾」、「内定承諾~入社」で分けられた就活における各フェーズのどこにおいても、他のSNSに比べてTwitterでの情報収集が多いと分かっています。
情報収集のやり方は、就活のフェーズが進んでいくにつれ、タイムラインに流れてきたものを見る受動的な動きから、自ら検索行動を起こして企業について調べにいく能動的な動きに変化していきます。そのため、求職潜在層や就活フェーズの初期段階の層に向けた発信と、検索をして発信を見に来てくれた層と大きく2つに分けてタイムラインを充実させていくとよいでしょう。
また、Twitterの最大の特徴は情報の拡散力の強さです。
「いいね」や「リツイート」などユーザーのアクションによって、投稿が芋づる式に広がっていくため、自社サイトを充実させておくと関心を抱いたユーザーからの良質なアクセスを見込めます。
▼Twitterの運用で参考にしていただきたいアカウントはこちら
- Sky株式会社 (学生向け情報)
- みき|FSEの人事採用担当
内定承諾以降のフェーズで使用率上昇のInstagram
写真や動画などビジュアル面で訴求しやすいSNSのInstagram。
「内定承諾~入社」のフェーズで、Instagramの利用が上昇しています。
これは、内定者にとって自分がこれから働く企業の雰囲気を知ることの重要性が上がるからだと考えられます。
写真や動画は文章より直観的に雰囲気を感じ取ることに長けているため、Instagramではよりリアルな社内の雰囲気を伝えることに活用するとよいでしょう。
▼Instagramの運用で参考にしていただきたいアカウントはこちら
- Sky株式会社
- 三井住友カード株式会社(新卒採用アカウント)
返信率が高い傾向にあるLINE
就活生や求職者の方からの返信率が低いとお悩みの企業にオススメなのがLINEです。
特に大学生の97%以上はLINEをコミュニケーションツールとして普段から利用しているので、メールでは埋もれがちになってしまう説明会や選考の案内などを見逃す可能性が低くなります。また、使い慣れていることもあってメールなどの連絡方法に比べて返信を気軽にできます。説明会や資料などで一斉にQRコードでLINEを共有し、その後の選考に関する情報提供はLINEのみで行う企業も少なくありません。
▼LINEの運用で参考にしていただきたいアカウントはこちら
信頼性の高さが魅力のFacebook
「実名登録」というのが大きな特徴のFacebook。求職者のプロフィールや投稿からある程度の人物像が信憑性高く読み取れます。
登録している年齢層は他のSNSと比較すると少し高めなので、中途採用にSNSを活用したい企業におすすめです。先輩社員のインタビュー記事や企業ロゴの由来、事業の裏側などを紹介する投稿などを発信し、より深い関心を持った人に対しては自社サイトへ誘導している企業も多いです。ちなみにFacebook広告を打つ場合も細かいターゲティングが可能なので、届けたい求職者に向けて適切なアプローチができます。
▼Facebookの運用で参考にしていただきたいアカウントはこちら
より伝わるコンテンツの提供が可能なYouTube
国内のアクティブユーザーが6000万人以上いて、無料で利用できるYouTube。
プラットフォーム自体の利用者数が非常に多いため、動画を使って企業を認知してもらうことに長けています。
加えて動画での投稿になるため、テキストのみの発信に比べるとより伝わるコンテンツの提供が可能です。
今まで企業の情報発信として動画を利用されていた企業は多いですが、一方で採用広報をYouTubeで行っている企業はまだ多くありません。
オフィスの雰囲気や社員の様子などをよりリアルに伝えられるYouTubeは、自社コンテンツとして用意しておくとよいでしょう。
▼YouTubeの運用で参考にしていただきたいアカウントはこちら
SNS採用と相性抜群なnote
採用広報活動に活用する企業も増えてきたnote。
法人アカウント「note pro」を利用することで、自社サイトを新たに制作して運用するよりも安価に採用広報活動ができます。
noteというプラットフォーム自体が持つシンプルさゆえに、自社らしさや自社の世界観を打ち出しやすいのも特徴です。
また、拡散力のあるTwitterと相性がいいSNSなので、noteに良質なコンテンツを蓄えつつTwitterでも発信することで相乗効果が生まれやすいといえるでしょう。
採用広報にnoteを取り入れたいとお考えの方はこちらの記事もぜひご覧ください。
企業が採用広報にnoteを活用するメリットや成功ポイントを解説
▼noteの運用で参考にしていただきたいアカウントはこちら
ソーシャルリクルーティングを成果につなげるためのコツ
ソーシャルリクルーティングで成果を出すコツは以下の2つです。
- 各SNSの特徴とターゲット層をおさえる
- 良質なコンテンツを作り続ける
各SNSの特徴とターゲット層をおさえる
SNSによって、特徴や利用者層が異なるためターゲット層はさまざまです。
- どのような目的でSNSを利用するのか
- 採用したい人物の明確化
- 発信すべきコンテンツ内容
上記の3点を明確にすると、自社にとって最適なSNSが見つかります。
他の企業のSNSでの発信を見て、「自社でもこんなターゲットに訴求していきたい」とベンチマークが見つかれば今後のSNS採用活動がイメージしやすくなるでしょう。
良質なコンテンツを作り続ける
いつでも気軽に無料で投稿できるのがSNSの特徴ですが、やはりコンテンツの質は重要です。
自社の魅力を洗い出しつつ、どのようなテーマでコンテンツを作成していくかは成果を出す上で大切なポイントです。
- 社員インタビュー
- 仕事風景
- 企業の想い
など、魅力的なコンテンツを充実させ、量だけでなく質の高い情報発信をやめずにずっと続けていくことが大切です。
ソーシャルリクルーティングを導入する際の注意点
「ソーシャルリクルーティングを自社でも始めよう」となった際に気をつけておくべき注意点があります。
- 炎上しないためのルール作りが必要
- 投稿頻度を下げない工夫が必要
上記の2つをやっていかなければ、せっかくソーシャルリクルーティングを導入しても成果に繋がらなかったり、企業のリスクにもなったりすることも。
それぞれ注意していきましょう。
炎上しないためのルール作りが必要
SNSでの発信は企業のみならず個人でも炎上のリスクがあります。
特に企業のアカウントでの発言は、企業全体としての統一された意見とみなされます。
そのため、アカウント運用担当者たったひとりの意見だったとしても、ひとたび炎上してしまえば「企業の意見」として責任をとらなければなりません。
炎上を避けるため、企業アカウントとしてのイメージを崩さないために、発信する際の複数人での最終チェック、発信しないことを決める、などの工夫が必要です。
投稿頻度を下げない工夫が必要
SNS採用のためにアカウントを運用していくのであれば、とにかく投稿頻度を下げないことも大切です。
情報過多の時代で、投稿頻度が下がれば埋もれてしまいどんどん見られなくなってしまいます。
- 複数の担当者で運用していく
- 担当部署だけでなく社内全体でコンテンツのネタをストックする
などの投稿頻度を下げない工夫をしましょう。
即効性のある施策ではないので、長期的な視点で見て地道に良質なコンテンツを作って発信していく必要があることを社内の共通認識として持っておかなければなりません。
まとめ:SNS採用で自社のファンづくりを始めましょう!
情報革命と言われているこの時代には、採用活動に「SNS」の導入は必須といえるでしょう。
ソーシャルリクルーティングのメリットとしては、
- 圧倒的な拡散力がある
- 採用コストを削減できる
- 自社のイメージを伝えやすい
- 転職潜在層に見てもらえる
などが挙げられます。
職をすでに探している顕在層だけでなく、「今はまだ新しい職場を考えていないけどいい企業があったら転職を検討したい」「まだ本格的に就職活動はしていないけどいい企業があれば早めに候補を見つけたい」といった潜在層にも企業の魅力をアピールしていくことが可能なソーシャルリクルーティング。
自社にとってどのSNSを運用していくのが最適かを各SNSの特徴を見ながら見極め、企業の想いや情報を求職者やユーザーに発信していき自社の「ファン」を増やしていきましょう!
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