VRIO分析とは?組織の強みを見える化して採用に活用する具体的手順

VRIO分析は1991年にジェイ・B・バーニーが提唱した戦略フレームワークです。

戦略論には有名な2つのアプローチがあり、ポーターはファイブフォースなど外部のポジションを重視していました。対してバーニーはRBV=Resource Based Viewという競争優位の源泉を企業内部の資源を重視しているため、組織や人材を扱うHR領域と相性が良く、戦略人事を目指す方の参考になると考えられています。

ということで、この記事では前半でVRIO分析の解説と具体的な分析方法についてご紹介し、後半では、戦略×人事の方のために、他では紹介されていないVRIO分析を採用強化に活かす方法をご紹介します。

この記事はこんな人にオススメです!
・VIRO分析についてわかりやすい解説が聞きたい
・VIRO分析を実施する際の手順が知りたい
・VIRO分析の注意点が知りたい

VRIO分析とは?

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VRIO分析を小難しい言葉で改めて説明すると「企業の競争優位性となりうる経営資源のケイパビリティを4つ観点から評価する戦略フレームワーク」です。

具体的には、

  • V:Value(経済的な価値)
  • R:Rareness(希少性)
  • I:Imitability(模倣可能性)
  • O:Organization(組織)

の4個の質問にYes / Noまたは5段階で回答して、自社の経営資源の強みを評価します。ものすごく簡単に言ってしまうと、「ウチの強みはこれですよ!」というものがあった時に、

  • V:そもそも、これに価値あるの?
  • R:これって他社にないものなの?
  • I:他社にマネされたりしないの?
  • O:これは仕組み化されてるの?

という4つのテストをして、クリアしていたら「良い感じ!」ということです。つまり、VRIO分析を行うためには、そもそも「ウチの強みはコレだ!」というものが言語化されている必要があります。

自社の強みはどうやって見つけるのか?

じゃあ、どうやって強みを探し出そうか?と思った方のために、VRIO分析を一緒に行われる手法をいくつかご紹介します。

①3C分析

3C分析は、顧客(Customer)、競合(Competitor)、自社(Company)の3つについて分析する手法です。

②SWOT分析

SWOT分析は、自社の強み・弱みを、内部要因・外部要因にわけて、4象限のマトリックスに分類して考える手法です。

③バリューチェーン分析

バリューチェーン分析とは、サービスが顧客に届くまでのビジネスプロセスの中でどこで価値が生まれているかを分析します。

④お客様やユーザーに聞く

「●●分析とか無理…」という方は、直接お客様やユーザーに聞くのが一番早いので「私たちの良さって何ですか?」と聞いてみましょう。

「強みとは何か?」とあまり深く考えすぎてしまうと、本質からズレていってしまう可能性があるので、シンプルに考えてみて、「なんとなく、コレが強みっぽいな」というものがいくつか出たら、早速VRIO分析をしてみるといいです。

VRIO分析の手順

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VRIO分析ではV→R→I→Oの順番で4つの質問に答えていきます。それぞれの質問内容と詳細について見ていきましょう

V:経済的価値「その強みは機会や脅威に対応できるか?」

経済的価値とは、会社に成長にどう貢献しているのか?困った時にどのようにして会社を助けられのか?ということです。

たとえば、「私たちの名刺は世界一薄いんです!」という強みがあったとしても、それが会社の利益を伸ばしてくれたり、スタッフのモチベーションを劇的に上げてくれたり、コスト削減になっていたりしないのであれば、ビジネス的に強みと呼べない「競争劣位」ということになります。

R:希少性「その強みは希少性が高いか?」

「この強みには経済的価値がありそうだ」ということが確認できたら、次に「ライバルが持っていないオリジナルの強みかどうか?」を確認します。

たとえば、「私たちはお客様に配送をしています。」という部分に強みがあると考えたとします。

確かに、配送することは売上や顧客満足に貢献しているかもしれませんが、それは他社でも普通にやっていることです。そうなると、価値はあるけど希少性は低い状態となり、競合企業と競争力が拮抗する「競争均衡の状態」となります。

I:模倣可能性「その強みはマネされにくいか?」

価値もあり、希少性もある、自社オリジナルの強みがある、という場合でも安心することはできません。次に確認しなければならないのは「その強みはライバルにマネされにくいかどうか?」です。

例えば「他社が掲載していない広告媒体から集客している」という部分に強みを持っていたとします。しかし、もしライバルがそれに気づいて同じ広告媒体に掲載し始めたら、強みはあっという間になくなるでしょう。その場合、今は競争優位性を担保できていても、いつ競争均衡に戻ってしまうかわからない「一時的競争優位」の状態と言えます。

模倣可能性をチェックするためには、以下のような観点を確認することが推奨されています。

  1. 時間圧縮の不経済:手に入れるために時間がかかる。例:創業300年の歴史etc
  2. 因果関係不明性:外部から見て因果関係が把握されづらい。例:秘伝のタレetc
  3. 社会的複雑性:影響している要素が複雑過ぎる。例:チームワークetc
  4. 制約・条件:法律などによって保護されている。例:特許・著作権etc

実際に分析する際の参考にしてみてください。

O:組織「強みを維持できる仕組みや体制があるか?」

価値もあり、希少性もあり、模倣可能性が低い、良い感じの強みがあったとして、それを維持できる体制がなければ本物の強みとは言えません。

例えば、強みが職人さんの技術力である場合、その技術が他の人に継承・共有できないものだとしたら、その職人さんがいなくなると強みがなくなってしまいます。このような属人的で持続不可能な状態では強みを維持できません。

組織的な仕組みが存在する場合に「最大限の持続的競争優位」となり、強みとなる経営資源を最大に活かせている状態であると言えます。

VRIO分析の注意点

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4つの問いに答えることで、自社の経営資源の強みが競争優位となっているかどうか確認する、という考え方はシンプルで理解しやすいです。しかし、実際に問いに答えようとすると「意外と難しいな……」と感じた部分があったのではないでしょうか。

例えば、「十分な経済的価値があるかどうかは何を基準にすれば良いか?」「希少性があるかどうかどうすればわかるんだろう?」など、それぞれの”問い”に答えるだけでも、真剣に考えれば考えるほど難しいものです。

また、VRIO分析は企業内部の経営資源にスポットを当てていますが、外部の競合企業や顧客の志向は常に変化します。そのため、外部環境の変化が激しい業界やタイミングでは適切な分析をするのが難しいという課題もあります。

そこがフレームワークの限界ではありますが、シンプルかつ誰でも使いやすいVRIOの考え方は事業戦略はもちろん、幅広い範囲で応用できると言えるでしょう。その一つとして、VRIO分析を採用強化に活かす方法をご紹介します。

【ケーススタディ】VRIO分析を採用に活かすには?

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VRIO分析は、自社の経営資源が事業戦略においてどのような競争優位性を持っているかを判断するフレームワークです。

この対象を顧客ではなく求職者や従業員に、事業戦略を採用戦略に置き換えることで、採用力の競争優位性のテストに応用します。これによって、自社の経営資源が求職者に対してどのような強みを発揮できるのか?を判断することができます。

では採用に役立つ経営資源・強みはどうやって見つければ良いでしょうか?

3C分析でもSWOT分析でも良いのですが、個人的にはバリューチェーンの代わりに採用プロセスを使う方法がオススメです。

今は、候補者体験(CX:Candidate Experience)や従業員体験(EX:Employee Experience)の重要性が高まりを見せています。自社で働くという体験価値を高めることに寄与する経営資源・強みを見つけることができれば、採用はもちろん業績にも間違いなくプラスの効果があります。

では、具体例を元に、分析の流れを確認してみましょう。

例えば、ある企業に独立支援制度があるとします。その経営資源に対してVRIOの4つの問いを投げかけてみましょう。

  • V:独立支援制度は優秀な人材を採用する上で価値があるか?
  • R:独立支援制度は希少性があるか?
  • I:独立支援制度は模倣可能性があるか?
  • O:独立支援制度は仕組み化されているか?

「独立支援制度」自体は、比較的多くの企業が実施しているため希少性は低そうです。簡単にマネできるものでしょう。しかし、支援内容によっては他社が簡単にマネできないものにもなりえ、それが制度として定着していれば十分な強みとなる可能性はあります。

ごくありふれたものであっても、業界や地域によっては競争優位になる可能性は0ではないのです。このように、採用~入社後に提供していく経営資源を一つ一つ見直していくことで、自社の採用力は間違いなく上がるはずです。

こうして改めて見ると、採用は事業戦略にとって非常に重要であると思い知らされますね。ぜひ採用プロセス×VRIO分析を試してみてください。

まとめ:VRIO分析でおダシ(唯一無二の自社の強み・魅力)を見つけよう

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VRIO分析では、経済的価値(V)、希少性(R)、模倣可能性(I)、組織(O)の4つの問いに答えることで、経営資源の競争優位性を評価します。自社にとって強みとなる経営資源は、3C分析・SWOT分析・バリューチェーンなどでわかります。

そしてケーススタディでは、バリューチェーンを採用プロセスに置き換えることで、採用力の源泉となる経営資源・強みを評価することにも応用できることもご紹介しました。

ちなみに、インビジョンでは他の誰にもマネできない、唯一無二の自社の強み・魅力となりうる経営資源を”おダシ”と呼んでいます。経営者のビジョン、他社にはマネできない社風、働いているスタッフの想いなど……そんな会社のおダシに惹かれ、ついつい人が集まってくる採用手法を「おダシ採用」と名付けています(笑)

VRIO分析で自社のおダシを見つけ、採用戦略も事業戦略も大きく飛躍させていきましょう!

自社のおダシが何なのか客観的に探してみて欲しい、VRIO分析を手伝って欲しい!という方はインビジョンにお問い合わせください!

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