
2022年7月より、Indeedの有料広告でクリック単価入札が廃止されます。
つまり、すべての広告が「自動調整」と言われるIndeedのAIによる運用に切り替わることになります。
Indeedの運用管理画面にこういうメッセージが表示されていますので、もうすでにお気づきの方もいるかもしれませんね。

これって結構大きな変更だよな~と個人的には感じていまして、そこでこの記事では
- クリック単価設定がなくなり、どのような設定に変更されたのか?
- 変更後もIndeedで効果を出すための運用のポイント
- 今後のIndeedはどのような方向に向かっていくのか?
について個人的な主観も踏まえてまとめてみました。
「えっと、、、”クリック単価”って何ですか・・・?」という方は、
まずは、Indeedの基本的な仕組みについてまとめた、こちらの記事をお読みいただくとより理解が深まります。
Indeed(インディード)とは?基本から徹底解説!3分でわかる仕組みとからくり
目次
変更前のIndeedのクリック単価設定方法

まず、変更前のクリック単価の調整方法について確認しましょう。
Indeedでは求人をキャンペーンというグループにわけて予算設定を行います。
2022年の6月までは、Indeedで有料広告のキャンペーングループを作成する際、「自動調整」と「クリック単価入札」のどちらの方法で広告を配信するかを選択できるようになっていました。
クリック単価(CPC)入札
クリック単価(CPC)入札では、1クリック当たりに負担してもよい入札金額を設定することができます。
つまり、上限金額を250円に設定した場合、そのグループの求人は1クリック250円以下に収まります。
そのため、広告費のコスト管理がしやすくシミュレーションが立てやすくなりますが、設定するクリック単価が競合企業に比べて低い場合には、広告自体が表示されづらくなることもあります。
インビジョンでは数百キャンペーンの運用をお任せいただいているのですが、こちらの設定を使うことが多かったです。
自動調整(推奨)
自動調整では、最小の予算で最大の成果が得られるよう、希望の予算と期間での支出が最適化されます。
つまり、クリック単価は基本的にコントロールすることはできず、完全にIndeedのAIにお任せすることになります。
Indeedからは正式に公表されていませんが、この”最適化”はクリック率・応募開始率・応募率などを総合的に考慮しておこなわれていると考えられます。そのため、極端な場合には1クリックの単価が数千円になることもあります。
「えっ!?そんな事したら、一部の人気求人だけに予算が集中してしまうのでは?」
と心配な方もいらっしゃるかもしれませんが、「クリックバランス」というオプションを設定することで、同じキャンペーン内の求人にバランス良く予算が配信されるように調整することができます。

ここまでを踏まえた上で、変更後の設定がどうなるのか?を見てみることにします。
変更後のIndeedのクリック単価設定方法

変更後のキャンペーン設定画面からはクリック単価(CPC)入札というメニューがなくなり、基本的にすべて自動調整となります。バランス、応募数最大化、目標応募数、目標応募単価の4つのメニューから運用方針を選択します。
では、4つの運用方針についてそれぞれ詳細を確認してみましょう。
バランス
“可能な限り応募数を増やすことを目標とし、キャンペーン内のすべての求人にトラフィックが分散されます。すべての求人で応募を均等にしたい場合におすすめです。”
と説明されており、”おすすめ”とのことなので、今までの自動調整+クリックバランスによる運用ロジックと基本的に同じだと考えられます。
Indeedからの案内では「バランス」という目標は以下のケースに適しているとのことです。
- 求人件数の多いキャンペーン
- キャンペーンのすべての求人で予算をバランスよく使いたい場合
応募数最大化
“キャンペーンで可能な限り応募数を増やします。応募数を求人ごとに均等に分散するのではなく、キャンペーン内の合計で応募が最大限になるようにします。キャンペーンの求人数が少ない場合や、どの求人に応募者が集中しても問題ない場合におすすめです。”
とのことなので、従来の自動調整のクリックバランスなし、みたいな運用方針であると考えられます。
Indeedからの案内では「応募数最大化」という目標は以下のケースに適しているとのことです。
- 常時募集中の求人や大規模採用の求人
- 過去に似たようなパフォーマンスだった求人
目標応募数
“キャンペーン内の求人に対して、目標とする応募数を設定します。すべての求人に同じ目標数を設定することも、求人ごとに設定することも可能です。目標応募数に達した場合、その求人への費用は大幅に削減され、他の求人に割り当てられます。採用までに必要な応募数をあらかじめ把握している場合に適しています。”
なんだか難しい言い回しですね。。。
要するに、同じキャンペーングループ内の求人ごとに重み付けをして、加重平均を最大化する、と言った感じでしょうか?
余計わかりづらいですね(笑)
Indeedからの案内では「目標応募数」という目標は以下のケースに適しているとのことです。
- 採用目標が決まっている求人
- 求人の種類が多く、個別に目標を設定したい場合
目標応募単価
“このキャンペーンでは、選択した応募単価をキャンペーン全体で達成することを目指します。設定した応募単価が低すぎると、キャンペーン費用を使い切れない場合があります。最適な応募単価の設定については、お問い合わせフォームまたは担当者にご相談ください。応募単価の合計が設定額を超えないようなキャンペーンにおすすめです。”
と書かれているんですけど、しれっと「応募状況によっては、目標応募単価を上回る可能性があります。」と書かれていますね。
いや、そんなの怖くて設定できないじゃん。。。。という感じですので、実際設定する際には、目標より単価を低めにしておきましょう。
Indeedからの案内では「目標応募単価」という目標は以下のケースに適しているとのことです。
- 少人数の採用を戦略的に行いたい場合
- 応募1件あたりの費用を管理したい場合
以上、4つの目標から自社の採用状況に合わせて1つを選び、AIに運用を任せていきましょう。
「がんがんいこうぜ」「いのちをだいじに」みたいで、なんだかドラクエを彷彿とさせる感じですね。
ちなみに、この4つの目標設定についての解説はIndeedのヘルプページから抜粋していますので、こちらも参考にしてみてください。
▼Indeed目標設定型キャンペーンの設定方法
採用サイトをIndeedエントリーに対応させよう
もしかしたら、自社の採用サイトでIndeed運用をされている場合、
「あれ?自分の運用管理画面では、”目標応募数”と”目標応募単価”が設定できないんだけど、、、」
という方がいらっしゃるかもしれません。
そんな時には、自社の採用サイトが「Indeedエントリー」に対応しているか確認してみてください。
Indeedのヘルプページの中にも、
“「目標応募数」と「目標応募単価」は、Indeed エントリーが有効になっている求人でのみ使用してください。Indeed エントリーが有効になっていない状態でこれらの目標を選択すると、選択できる求人が表示されません。 “
という記載があります。
Indeedエントリーについてちょっと解説
Indeedエントリーは、Indeed上で「かんたん応募」ができる機能です。直接投稿で掲載している求人には標準で実装されています。
Indeedエントリーが有効になると、検索結果画面上で”簡単応募”の目立つキーワードが付くためクリック率が上がります。
インビジョン自社の求人で検証したところ平均で7%UPしました。
また、Indeed内で応募まで完結するため画面遷移が少なく、応募者の離脱が減り応募率が上がりやすくなります。
インビジョン自社の求人で検証したところ平均で1.7倍ほど応募効果がUPしました。

Indeedに連携している求人ページ作成システムの中には、このIndeedエントリーに対応しているものがあり、自社でお使いの採用サイトが対応していれば、有料広告の運用で”目標応募数”と”目標応募単価”の設定ができます。
ちなみに、インビジョンでご案内している「HRハッカー」はIndeedエントリーに対応していますので、よろしければ是非お試しください。Indeedを含む9つのメディアに求人が自動連携されますので、他メディアとの効果比較もしやすくおすすめです。(宣伝です)

これからIndeedはどうなっていくのか?
最後に、今回のクリック単価入札の廃止により今後のIndeed運用がどのように変わっていくのか、個人的な主観も踏まえて考察してみます。
Indeed有料広告運用がシンプルになりますので、専門的な知識がなくとも誰でも簡単にIndeedの運用ができるようになります。
予算の設定をして、運用の目標を決めたら、後は良い人からの応募があるのを待つだけ。
なんだか求人メディアのようですね。
もはや、Indeedは求人検索エンジンではなく、検索性の高い求人メディアだと考えた方が良いのかもしれません。
そうなると、Indeedの運用を代理店に任せる必要もなくなっていきます。
なぜなら、”広告運用”という部分で差をつけるのが難しくなってくるからです。
では、何で差別化をすれば良いのか?というと、求人原稿です。
どんなキーワードで検索し、自社の求人をクリックしてもらったとしても、最終的に候補者が見る求人原稿がイケてなければ
当然のことながら応募にはつながりません。
今まで以上に、求人原稿=自社採用コンテンツに力を入れていくことが必要不可欠となります。
インビジョンでも、自然と自社に合う候補者が集まる「おダシ原稿」の書き方ノウハウをご紹介していますので、
よろしければこちらをご覧いただければと思います。
Indeedの動向は気になりますが、求人メディアが変わっても採用活動の本質は変わることはありません。
求人原稿だけではなく、資産となる自社採用コンテンツを積み上げることで自社の採用力を上げていきましょう。