【知ってるようで知らない】休暇、その他代休と振替休日の違いを解説

こんにちは、現役上場企業人事/社会保険労務士 助太刀屋のりょうたです。

人事だけでなく、どの業界においても、当たり前に運用されていたり、聞いたことがありながらも実は微妙にニュアンスが異なっていたり、正しく理解されていないワードってありませんでしょうか?

今のご時世ですので、すぐネット検索により表面的な部分の違いなどは見つけられるかもしれませんが、実務的な注意点やそれらを応用して会社がどう対応するかなどは、書いていないことがあります。

労務管理の側面で見るとよく「権利と義務を履き違えてはいけないよ」なんて厳しい言葉を現場で聞くことがありますが、その典型とされる「お休み」について少し触れていきたいと思います。

働く上で労働者の方にとっては、この「お休み」というものは非常に重要視されていますが、普段働いている中で実はきちんと理解されていないものの代表として「休日と休暇」「振替休日と代休」があります。

普段よく目にしていて、なんとなくは認識しているものの、実際の内容ってどうなっているのかを改めて確認しておきましょう。

この記事はこんな人にオススメです!
・休日と休暇って厳密にどう違うのかわからない
・代休や振替休日について正しい知識を得たい

休日と休暇

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休日

「休日」とは、就業規則などによってあらかじめ労働義務が免除されている日をいい、そもそも勤務(出勤)しなくてよい日のことをさしています。さらに「休日」を厳密に考えると「法定休日」と「所定休日(=法定外休日)」に区分されます。(図表参照)

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労働者からすると同じ「休日」であることは変わりないのですが「法的に求められているもの」と「会社が定めたもの」という意味合いで異なり、いわゆる割増賃金の計算にも影響を及ぼす要素にもなっています。

休日出勤した場合に、今日出勤した分の給与は通常時の「×1.25」「×1.35」などのフレーズを聞くのは、この「法定休日(×1.35)」に出勤しているか「所定休日(×1.25)」に出勤しているかによって異なるという理由です。

会社や業種により、休日日数や曜日なども異なるため、「法定休日」「所定休日」は会社が基本的に決めることとなっています。土日祝日を休みとするオーソドックスな会社の場合の例として日曜日を「法定休日」として、土曜および祝日を「所定休日」とするイメージがわかりやすいと思います。

休暇

「休暇」とは、本来勤務しなければならない労働日であるが、その労働義務を法令や就業規則などの定めによって免除する日をさします。先述した「休日」と異なるのは、もともと通常の労働日か否かという視点になります。「休暇」についても、厳密には「法定休暇」と「法定外休暇」に区分されます。(図表参照)

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こちらも実際に働いていると「休暇=休み」という認識で特段細かく考えない部分かもしれないですが意味合いは異なってきます。「休日」と異なる点としては、あくまでも労働者からの申請をもとに発生するという性質があるということです。

「権利ではあるけど、義務ではない」などと言われる由縁はここから来ているものとなります。
(一部の有給休暇は取得義務化になっているため、全てではありません)

法定休暇

「法定休暇」の一般的な例としては「年次有給休暇」や「育児休暇」などが多くの方に認識されていると思います。既に「年次有給休暇」は取得が義務化されているため、当たり前に取得するもの(法的な義務があるもの)となっておりますが、「育児休業」などについては、ライフイベントがあって初めて発生(取得)するものというから、同じカテゴリーでも少しニュアンスが異なっている部分になります。

「法定休暇」」は、その名のとおり「法定」とつくものですので、一定要件を満たしている場合には必ず取得させるものになっており、原則としては会社側の都合で一方的に取得を拒否したり、延期させたりすることはできないものとなっています。

法定外休暇の例

一般的には下記のようなものが代表的な「法定外休暇」になるものと考えます。

  • 結婚休暇
  • 出産休暇
  • 慶弔休暇
  • リフレッシュ休暇
  • 誕生日休暇
  • アニバーサリー休暇
  • 永年勤続休暇
  • 失恋休暇
  • 家族休暇

「法定外休暇」は、あくまでも会社が任意で定めるものですので、取得にあたって一定の条件を付すことや事前承認を必要とさせる事、また繫忙期には取得を制限・拒否することなど色々な条件を設けることも可能です。

法定外休暇の運用にあたって

一方で一度就業規則などに定めてしまうと、労働者にとっての権利にもなり得るため、安易に条件の変更や改廃をすることは労働条件の不利益変更と取られる可能性もあります。

これから導入や制定の検討をされている場合には、単に話題性や一過性の効果を期待するだけでなく、運用面のメリット・デメリットまで見込んだうえで精査する必要があります。

多くの企業で特別な休暇を給与が発生する前提(有給)で設計するため、本来あるべき労働力(労働時間)が喪失されるという面も忘れずにいたほうが賢明だと思います。

福利厚生も重要な要素ではありますが、本来の事業会社の目的が損なわれるなど、本末転倒にならぬよう、メリハリの利いた運用を考える一助になれば幸いです。

続いては「休日」という枠組みの中での取り扱いに差異がある「振替休日」と「代休」について見ていきたいと思います。

振替休日と代休

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実務をやられている方でも結構間違って認識しているものが「振替休日」と「代休」です。

認識はしているけど、結果的にはゴチャゴチャのまま勤怠管理や給与計算がされてしまうという少し厄介な要素も存在しているものですね。

リアリティーを感じていただくため、よくある会社の中でのシチュエーションを2つ用意いたしました。両者のニュアンスを見つつ、解説をしていきたいと思います。

【シチュエーション①】

月曜朝イチに上司が部下を呼んで会話しているシーンを想像してください。

「今週の土曜日、どうしても遠方のクライアントに行くことになったから、悪いけど先に水曜日を休みにして振り替えておいて!急な決定で申し訳ないけど、今週の休日数は変わらないから許してね!」

【シチュエーション②】

金曜の夕方に、上司が部下を呼んで会話をしているシーンを想像してください。

「今作ってもらっている資料について、急遽月曜の朝イチに役員に見せることになった。急で申し訳ないが、日曜に一緒に出勤して資料の仕上げを手伝ってほしい。日曜は元々休日だから、休日出勤手当(×1.35)をつけてもらって構わないのでよろしく!もし再来週とか業務が落ち着いたときに休みたいようであれば、代わりに休んでもいいからね。ただし、休んだ場合、その日は欠勤控除(1日分=×1.00)となってしまうから、休むかどうかの判断は任せるよ」

どちらのシチュエーションが「振替休日」「代休」に該当するかお分かりでしたでしょうか?

上司の言い回しなどでも何となく判断できると思いますが、前者(シチュエーション①)が「振替休日」後者(シチュエーション②)が「代休」となります。

実務だと何となく同じような使い方で、結果的に休んでいるならうまく調整(相殺)しておいて。などで

終わってしまう「振替休日」と「代休」ですが、厳密に言うと性質は異なります。

振替休日

休日出勤をする場合、本来の休日とあらかじめ決まっている労働日(=所定労働日)を事前に入れ替えることにより別の日に休日を取得することを指します。振替休日を行った場合、本来の休日は労働日として扱われるため、いわゆる「休日出勤」には該当しないこととなります。

そのため、法定休日に労働した場合も割増賃金を支払う義務は生じません。

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運用する際の注意点としては、下記となります。

  • 就業規則上に振替休日を行う内容の規定を設けておくこと
  • 休日労働を行う前に振り替えるべき日を(事前に)特定しておくこと
  • 週1日または4週4日の休日を確保すること

代休

事前に振り替えを行わず、休日労働を行った後(事後)にその代償として休日を与えることを指します。振替休日とは異なるもので、当初想定しない臨時突発的な事案対応などがあり、本来の休日に勤務したため、いわゆる「休日出勤」として扱うこととなります。

休日出勤をした後、別の日(通常労働日)に代休を付与すること自体、労働基準法などに法的な規制はありませんので、付与するか否か、付与する場合の要件などを設定するかは会社が決める事になります。

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労働者個々の価値観にも影響するところですので、休日出勤分を通常の給与に加えてもらいたいと思っている場合、最低限の法定休日を取得している前提であれば、事後の代休を敢えて取得しない(したくない)などの選択も大いにあり得ます。

この辺りは業務状況や対象者の労働時間などを考慮したうえで適切に対応すべき部分になります。 

振替休日と代休のまとめ

実務においては、双方の性質を正しく理解したうえで運用をしていただくことに越したことはないのですが、なかなかすべての事案において事前に把握して調整できるものもないと思います。

結果的には「代休」に該当する場合も「振替休日」のような運用で休日と本来の労働日を変更して帳尻合わせをするようなケースもやはり一定程度は見られます。

法令遵守で運用することは申し上げるまでもないのですが、重要な事は全てを額面通りに解釈して運用することではなく、ある程度柔軟な対応をしておき、労働者側にも何かあった際、自主的にうまく振り替える事ができるような体制を作っておくことではないでしょうか。

双方が問題なく勤怠管理をできていて、融通が利いている状態であれば、そこだけをもって双方でトラブルになることはほとんどないと思われますが、まずは適切な知識を持ち運用方法を理解しておくことが肝要になると思います。

勘違いしやすい要素がありますので、下記の図表を参考に整理をして理解の一助となれば幸いです。

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